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自虐考〜自虐スイートスポットを探る〜


※この記事は半分くらい無料で読めます。


今日はコミュニケーションスキルとしての
「自虐」について考えてみた


自虐とは何か

【自虐とは?】
→自分で自分を(必要以上に)責めさいなむこと。
ネット検索より

自虐って便利。
コミュニケーションのワンスキルとして
とても便利。

例えば
「私太っちゃったの、この二重顎やばくない?!」
「昨日も6万すった!俺やばくね?人間失格!」

などなど
誰も傷つけない、貶さない
下げるのは己のみ

適切な自虐芸は
相手を笑わせるのに便利。
たまにクリティカルヒットすると
場の空気が和むから便利。


でも
自虐は諸刃の剣。

下手な自虐は笑ってもらえない。
かえって気を使わせてしまう。
何とも言えない空気になる。


自虐は便利だけど
決してカンタンなスキルではない

自虐芸とは
コミュニケーション強者が
ギリギリの範囲を攻めるから笑えるのだ。

お笑い芸人という
空気調停者のプロが
するっとやってるから
カンタンに見えるけど

自虐ってものすごく高度なスキルが必要
一般人が易々とマネできるわけでは
ない…!

なぜ自虐が難しいか


それは
自虐で笑える
スイートスポット(最適な場所)が
結構案外
狭いからである

今一度定義に戻ろう
【自虐とは?】
→自分で自分を(必要以上に)責めさいなむこと。

そう!!!
この(必要以上に)という部分がポイント

わたし含め
空気調停者のアマチュア民は
自虐芸を過剰にやってしまいがちである




自虐度レベルが低すぎると
単なる自己紹介である

笑いも共感も生まれない
「そーなんすね」で終わり
エントロピーに変化なし、である

しかしだからと言って
勢いあまって自虐度レベルが高すぎると
かえって気を使わせてしまう

相手から
「そんなことないよ…」
と言われたら

それは試合終了
敗北の証である

このように
自虐で笑ってもらい
良好な空気を得るスイートスポットは
ものすごく狭いのである


自虐スイートスポットの幅の変化


そして難儀なことに
自虐スイ幅(自虐スイートスポット幅)は
時代によっても関係性によっても
変化する

時代の違い


当然ながら昔の方が
自虐スイ幅は広かった
自虐どころか他虐でも
笑いが生まれた時代もあった

しかし令和では
教育とSNSの発展により

「この自虐で笑っていいのか…?」
「この笑いは不適切じゃないか?」
という道徳観念がちらつくため
自虐スイ幅は狭くなっている

今後も俄然
狭くなっていく
見通しである


関係性の違い


ご想像の通り
関係値が高い方が
自虐スイ幅は広くなる

初対面でいきなり自虐芸をされても
背景やキャラクターが見えないので
笑えない 当然だ

逆にいうと自虐芸とは
「お前ならおれのダメさわかってくれるよな?」という
関係値の再確認
甘えの構造でもある

対面かモニター越しかの違い

対面の方が
自虐スイ幅は広くなる

モニター越しではタイムラグが生じるし
表情も伝わりにくい

この表情というのが大事な要素で

対面ならば
「この自虐は笑っていいヤツですよ!
さあ笑ってください!」
という誘導が出来る
誘い笑いも有効だ

そこの誘導がモニター越しは
かなり不利なのである


実際の自虐例


やりがちな
自虐パターンを
ご紹介しよう

①【カウンター自虐】
褒められた時にきょどってしまい
勢いあまって自分を
必要以上に下げてしまう行為



例)
(Aさん)「Bさんて絵うまいですよね

(Bさん)「!!!!
いやいやそんなことないです!
超雑な絵でへたくそです…!
神絵師の足元にも及びません!
こことかデッサン崩れてますし!!!
関節おかしいし!手の指とかどうなってんのって感じだし!
ほんとお目汚しすみません…
生まれてきてすみません……」

(Aさん)「………………………」


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