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雑な会話をしたいin2021

先日カフェに行った。客は私一人だけで、私はipadで藤子F不二雄の短編集を読んでいた。

すると陽気な外国人の店長に話しかけられた。

「会社休みなの?」「仕事何してんの?」「えーフリーランス?すごいね大学で学んだの?」「大学どこ?」

めちゃくちゃ突っ込んでくるなオイ。でも別に悪意は感じないし単におしゃべり好きなんだろうな。お客さんも他にいないし暇なんだろうな。

でも私は突然話しかけられてキョドッてしまった。あんまうまく話せなくてアタフタ逃げるように店を出てしまった。なんか悔しい。20代の頃だったらもっと陽気に話せてた。

外だとぼーっと自分の世界に入ってることが多いから、いきなり他者から話しかけられると驚く。会話するモードになってないから。

もっとうまく話せばよかったなあ、せっかく話しかけられたんだからもっと話を盛り上げればよかったなあ…と帰ってからちょっと反省してた。

だけど考えた。会話とはもともと雑なものだ。

あの店長は別に何の気なしに適当に話しかけてきただけだ。それに対してなぜか私は気負ってしまった。別にただの世間話なんだから盛り上げる必要なんてなかった。

私は100%の返答をせねば!と意気込んでしまい疲れた。

私は会話を「盛り上げよう」という気持ちが強い。もちろん私が楽しいからなんだけど、ある意味それは自分への負荷でもあるんだな。

そしてなぜ「会話を盛り上げよう」と思ってしまうかというと「自分に自信がないから」なのかもしれない。その場にいるだけじゃ相手に認めてもらえない気がしてしまって。

「相手を楽しませないといけない!」みたいな強迫観念があるのかも。

あとSNS。

今やネットで交流するのは当たり前になったけどウェブ上は記録が残るし下手なことを言うとずっとログが残ってしまう。これがキツイ。

正解の答え、正解の会話しかできない世界になりつつある。そして体はその世界に適応しつつある。

世界はもっと雑多で卑猥できわどくて不道徳なものだ。それを再確認したい。もっと雑な会話をしたい。

クズでアホな会話をしたい。ネットではログが残るのでリアルの世界ではせめてたくさん雑な会話をしたい。

私の痔が痛いとか、自転車のベルが壊れたとか。世界は色んな意味で豊潤なんだと確認したい。

そんな2021の抱負。とりあえず痔は辛い。


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